多分気が付いているのは現段階でソルトのみであるなら尚の事。
だからこそ、今更ながらに周囲の目を気にしながら六花にだけ聞こえるように身を屈めて顔を近づけると、
「お前……どう見てもレース越しに下着らしき布地が見えねえんだけど……まさか、」
「うん、超絶楽ちんなノーブラだよん」
「っ……やっぱりかっ!!ってか、あっけらかんとよう言うたわっ!!」
「いや、寧ろ僕常日頃からノーブラ主義だしぃ。ブラジャーとか持ってないしなぁ」
「っ………そこは持てっ!!何でだ!?寧ろそこまで発育良い胸して何で着けねえんだ!?」
「キツイ、苦しい、無理」
「無理じゃねえよぉぉぉ。そこは乙女の嗜みとして絶対的必需品だろうがコラッ!まして、いつものダボっとしたワンピースならまだしも今日の服はラインばっちりピッタリワンピースじゃねえか!!そんなんでノーブラとか…痴女かっ!?」
「えー、でも海外じゃ割と普通じゃない?トップレスって。モデルさんとか寧ろ見てくらいの勢いでファッションショーの舞台を闊歩して…」
「あれと一緒にすんな!!アホか!!」
「いや、あわよくばソルトを誘惑できるんじゃなかろうかとも思ってたけどもさ」
「しっかりと下心も込の確信犯じゃねえかこの野郎ぉ」
「そりゃあ、言っても恋する女の子ですから」
「ああっ!?恋する乙女がノーブラで街中闊歩するとか世も末だっつー…」
「ソルト、」
「……な、なんだよ?」
「…恋してエッチになるのは男だけじゃないんだよ?」
「っ___」
知ってた?
みたいに、はにかみながらの上目遣いヤメロ…。
あーもー、すでに……しんどい。



