服だって物凄く良く似合ってて素直に誉めてやりたい気持ちは山々なんだが……っ……、
「なあ、」
「ん~?」
「その服装がよく似合ってるって事前提で一言突っ込んでいいか?」
「あ、本当!?コレソルトの好みに合った?やったぁ!もうね、デートの約束した日から迷いに迷いまくってこの服になったの。そっかぁ、良かったソルトの好みにあって」
「っ……」
先手を打ったつもりが打ち返されたぞ。
いやいやいや、一言突っ込むつもりだったのにこんな可愛い裏事情語られ嬉しそうにされたあとで物申すとかきついんだけど!?
本当は一喝するくらいのつもりでの前置きであったのに、それを見事打ち砕くのは六花の愛らしさ。
今も実に嬉しそうに『可愛いでしょ~』なんてレースをひらひらさせてくる無邪気さには益々突っ込む勢いが減少してしまうという物。
それでもだ、やはり突っ込んでおくべきだろうと何とか心の鬼を奮い立たせるとだ、
「っ……確かに可愛い。そこは素直に認める!だがっ!……っ……少しばかり大胆過ぎやしないかいお嬢さんよ?」
「ふへ?……大胆?……あ、生足露出?」
「そこじゃねえよ!いや、そこもある意味そうなんだがそこじゃねえよ!!そのっ……サイド……レースの内側事情…」
勢いがあったのは『そのっ』の部分まで。
内容的に声を大に突っ込む事ではないし、それで余計な他者の視線も集めたくはない。



