あああ、違うぅぅぅ。

こんな態度取りたいわけでもなくてっ。

ただなんかしてやられてる感じが大人なのに情けないかなってちょっともどかしかっただけの虚勢でぇぇぇ。

本っ当っ、

俺馬鹿?

なんて、自問自答の自分会議は二三歩歩んだ合間。

結局は自分勝手な逆切れに居た堪れなくなり、大人の男だなんてプライドは諦め六花を振り返るのだが。

「っ……」

六花と言えば分かっていたかの様にその場にちょこんと座って頬杖をついていて、ソルトと目が合うなりにっこりと微笑んで見せてくるだ。

そんな待ちかまえには白旗を上げざるをえないというもの。

「……はぁ、悪い。つまらないプライドで逆切れしました」

「んふふ、うん知ってる。でも僕ソルトのそういうとこもだーい好き」

「敵わんな」

「僕に勝とうなんて思ってる時あった?」

何だかんだ優しいソルトは自分が負ける形でその場を収めるじゃない。

そんな補足を笑顔で示せば、言葉にせずとも通じていたらしいソルトのばつの悪さというのか。

結果、下手な言い訳は返さずポリポリと頭を一掻きしてその問いを濁すのだ。