何で自分は……ソルトの銃を握っているんだろう?
何で銃口をソルトの胸に押し付け引き金を引いてしまったんだろう?
的確に…心臓の位置を撃ち抜いて。
ねえ……何で?
何で……立ち上がって来ないの?…ソルト。
魔混じりの身体はタフなんでしょう?
ちょっと撃たれるくらいは掠り傷だって…。
……違う。
そうじゃ…ないよ…。
違う……違う違う違うっ……。
何で撃たれてっ……。
何で撃ってっ…………、撃っ………た………。
僕が………僕がソルトを………。
そんな困惑と混乱と絶望と。
今にも発狂してしまいそうな精神はギリギリの一線であるのに。
そんな細糸すら断ち切る様にだ。
「壊せないなら、壊れてもらえばいい」
「っ………」
「自ら、その生きる意味を壊す事で」
「あっ…………や…………………」
意に反して。
最早今にも崩壊寸前の六花の精神では何かをしようなどという意思は奪われている筈であるのに。
銃を持った腕は再びソルトの体に向き指先は引き金に誘導されてしまう。
まるで操り人形のように六花の意などお構いなしに。
時雨の意志のまま。
「さあ、もっと完全完璧に壊れてくださいお嬢さん」
そんな残酷な響きが時雨の唇から弾かれ、しなやかな指先が人形を操る様な動きを見せた刹那。
「やめろ時雨っ__!!」
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ___」
無情にも響くのは、
間に合わぬ制止の声と
銃声と、
……少女の壊れゆく音。



