Love EaterⅡ



いつの間にか、夜の庭園は静寂なる時雨と百夜の独壇場。

今に通ずる過去の清算話。

吉と出るか凶とでるか。

それに感情的に水を差すことなどしてはいけないとソルトも蓮華も無意識に傍観者に徹していて。

今はまさに事がどう転じるのかというどこか賭け事の結果を待つような緊張混じりの刹那の間。

フッと小さく漏れた息遣いは皆の集中を受けていた時雨の口から。

その開口とどこか哀愁混じりな笑みに誰もが緊張の糸を張りつめた直後。

「…………別にもう完全な夜音の複製など求めてやしませんよ」

「………」

「そもそも……夜音になり代われる人間などいる筈がないんです」

弾かれた一言目の返答に期待を抱いたのも一瞬、次いだ言葉には百夜の目に失意が揺れ。

時雨の目には仄暗い執着の色が淀んで広がり狂気が増すのだ。

「夜音は特別です。誰よりも美しく、誰よりも気高く、誰よりも情に深い。美しい美しい唯一の女ひと。そんな彼女の尊さに複製品が追い付けるなど最早期待などしていないんですよ」

「……そんなもの、ただの気休めな人形にすぎないというのにか?」

「気休めでいいんですよ。それらしい人形ごっこで。それでもどうせならより彼女に似通った要素であった方がこちらも入り込める。それだけの話です」

優し気な微笑みや口調。

隣に沿う六花の髪を語りながら撫でる仕草の指の先まで優しく愛しむものに見えるのに。

それでいてどうして残酷な思考を口にする。