それだけで十分。
今はそれだけで。
詳細など後付けでそれに対する様々な感情も然り。
今はとにかく六花を救済すべし。
そんなすばやい頭の切り替えとほぼ同時、
「見つけた、」
百夜の声が響いた刹那には景観は研究室からガラリと変わり、肌には夜風が心地よくすり抜ける。
その場所には銘々見覚えがある本部の中庭。
そう銘々が。
「ってか、なんで俺まで連れて来られちゃってるんですかねえ?」
「っ…蓮華?!」
「おやおや、蓮華くんも巻き込んでしまってたかい。急いでたからついねえ」
「巻き添えもいいとこすぎやしませんか百夜さま?仕事ならまだしも私用な面倒ごとは御免です」
何で俺まで。なんて不満一色は百夜とソルトの背後から。
振り返れば実に気怠げな様子で頭をかく蓮華の姿があり、やれやれと溜息まで吐いてみせ。
「とりあえず、一抜けでいいっすか?俺」
なんて挙手までしてその場を去ろうまでする始末。
するりと背を向けた姿は言葉のままにその場から去り始めたのだが、それを許さぬ熱血漢が1人居たのが運の尽き。
すぐ様背後から伸びた腕に首根っこを掴まれ引き戻されたのだから。



