「貴方を1番に想っているのは僕です。貴方が1番に想うべきも僕。わかりましたか?」
「……はい、」
「良い子ですね。僕の事は時雨と呼びなさい」
「し…ぐれ?」
「後はそうですね…容姿を少々大人に変えましょうか。髪も長い方が僕の好みです。そろそろ魔女の力も戻っている頃でしょう?」
時雨が軽く指先を動かせば、拘束が溶けたらしい六花が軽くよろめきながらもその場に立ち直し。
時雨を見つめたのちに自分の両手を確かめるように見つめ刹那には時雨の望んだ容姿に変貌していく。
青みがかった艶やかな髪は伸び、大人びた表情は色を増し。
見るもの全てを魅了する様な凄艶な姿へと成り代わったのである。
そうして自ら時雨の傍へと身を寄せていく。
刷り込まれたヒナの如く。
信頼すべきは時雨なのだと本能的に。
そんな六花を優しく抱き頭を撫でる時雨の愛おしげな笑みは心から。
心から愛おしみながら六花の耳元で、
「夜音(やのん)、」
そんな名を呟いたのだ。



