そんなソルトの六花への特別意識は、音の響きからだけではなく表情や温もりからも充分に六花本人に伝わっている。
前とは違って面と向かって真っすぐに向けられる愛情に六花が不満を述べるはずもなく。
「ソルトは……本当に口は悪いけど甘いよなぁ…」
「一言余計じゃい」
「僕結構我儘言ってるって自負はあるんだけどな」
「自負してるなら控えろよ」
「嫌だよ」
「嫌なんかいっ!」
「嫌だよ。僕はソルトを手に入れるのに少しの妥協もしたくないもん」
「っ……」
「それでなくとも、僕はずっと我慢してたんだから。ソルトの隣に並んでいい瞬間まで。解禁されたってのにどうして我慢しなきゃいけない理由がある?」
「っ~~ああっ、もう……我儘万歳。どんと来いってんだ」
「フフッ、僕の恋人は優しいなぁ」
大好きだよ。と言わんばかり。
歓喜を甘えるような軽いキスで告げてくる六花の愛くるしさには欲情というより愛着が増して胸が疼くソルトなのだ。
それを証拠に、
ああ、ヤバい。
日に日にこいつが可愛すぎて何でも言う事聞いてしまいそうな自分がいる。
いい歳したおっさんが若いキャバ嬢とかに入れ込んで貢気持ちがなんか分かった気がするし。
とにかく言っていいかな!?
俺の彼女クソ可愛いって!!
なんて、脳内ではお馬鹿全開に惚気きっている始末なのだから。



