どこまでソルト馬鹿なんだと言いたくなる六花の執着とそれ故の嫉妬は時折可愛いを通り越して恐ろしい。
今にもソルトと関係を持った女達に報復の一つでもしてしまいそうな魔女顔には、ソルトも悪戯に刺激できないと低姿勢になるほど。
それでもだ、恐ろしかろうが自分への愛情ゆえの物。
結局はヤレヤレという苦笑に収まって六花の身体を抱きすくめてしまう。
そんな抱擁には六花もまたあっさり絆され不満など手放してしまうのだから、やっぱり相思相愛のバカップルと言えるのだ。
「お前さ、本当腹が立つほど可愛いわ。まんまとそう思ってる自分に更に腹が立つけど」
「フフッ、ソルトは本当に僕が好きだねえ」
「好きだよ。好きだから……大事にしたいんだよ。今までみたいに欲求の捌け口相手じゃないから一瞬一瞬を大事にしていきたいと思ってる」
「……それって、さっきの話から続く?」
「続いてるし…結論だな。お前が今までの女とは違って一等特別だから欲求馬鹿になりたくないっていう」
回りくどかったけれど結論としてはこういう事を言いたかった。
魔女だ魔混じりだと他にもいろいろな事情はあれどだ、それを抜きにしても自分の欲求のままに六花との関係を進めたいとは思わない。
好きだからこそ欲情はする。
でも好きだからこそもっとじっくりと関係の深まりに酔いしれたい。
愛しみたい。
特別であるから。



