そんな六花の底知れなさには蓮華や百夜まで唖然と呆けていたのだが。
「素晴らしいですね。まさかこんなに簡単に使えてしまうなんて」
ただ1人、時雨だけがパンパンと柔らかに拍手をしながら感嘆の声を漏らしてみせてきたのだ。
そのままずっと腰を下ろしていた身体を立ち上げ真っ直ぐに六花の傍へと距離を詰めソッと頭を撫でてみせながら目線を合わせ。
「とはいえ、百夜殿も言っていた様に紙一重で危険な力です。あまりお遊びに使ってみるべきではないですよ」
「そう?僕は別に悪用するつもりなんてないけどなぁ」
「善と悪の意識の線引きも実に危うく人それぞれですから。力を持つ者はその力を扱う責任も持たなければ。よければ似たような力を持つ者としてコントロールする術を伝授しましょうか?甘いお菓子やお茶をお供に」
「なっ…ちょっ、時雨さまっ!?」
「えっ、お菓子!食べたぁい!!」
「六花!?おまっ…今の今までもあんだけ食い散らかしてただろ!?」
「スイーツは別腹別腹」
「さっき食ってたのもスイーツだろうがっ!」
「でも、危険な力だっていうならちゃんとした制御もしてほしいでしょ?ソルトだって」
「そりゃあそうだけど、そういう事じゃなくて俺はっ、」
「リッカ君、こんな中年に妬いてくださるのは実に有難いですが、心配しなくとも取って食いはしませんから」
「い、いや、…あの、」
「えっ、えっ、何!?ソルトってば妬いてくれてたの!?うわぁぁぁ、ギュンとくるぅ!」
「っ〜〜、ああっ、もう!好きにしろっ!」
気まずさ故の自棄と照れ隠しが強。
時雨の的を得た突っ込みとそれによる六花の追求には自分ばかりが意識過剰に反応しているのだと羞恥心が反応してしまったのだ。



