馴染みがあるからこそ思い当たる存在である蓮華にどういうことだと鋭い眼差しを向けて見るのだが。
向けられた蓮華さえも何をしているんだ?と言わんばかりの眼差しをソルトに返してくる。
決しておふざけの延長からの誤魔化しではない。
ソルトもそれを瞬時に理解したタイミングだ。
「と、まあ…僕の能力と言えばこんな感じです」
「っ…時雨さま…が?」
「はい、蓮華くんの力を少々お借りしまして」
借りたって…ちょっ…それとんでもなく凄い能力なんじゃ?
と、思ったのはソルトだけではないらしく。
「凄いと言えば聞こえはいいが、随分紙一重で危険でもある能力を持ってるじゃないか。他の魔力の特性をコピーして扱えるなんて」
百夜なんかは咎める様な眼差しをむけながらどこか警戒しながら時雨を見つめている。
そんな百夜とは真逆、どこまでもほんわかとした様子の時雨はただただ緊張感のない笑みで頬を一掻きすると。
「まあ確かに、自由自在に際限無くとなれば実に危うい能力といえますが、これが案外融通の効かないもので。蓮華くんの能力をコピーしたなんて言っても出来るのは精々肉体を繰る程度。蓮華くんの様に神経やら精神まで支配する様な事は出来ないんですよ」
「一応制限はあるって事らしいな」
「残念ながら、何でもキャパや相性というものがあるでしょう?受け幅以上の力は流石に扱えないしコピーすら不可だったりするんです。コピーした力だって永久保存でもなく効果の持続は半日程度。百夜殿程の力となれば以ての外。出来るものならもうとっくにコピーしていますし。だからそんなに警戒しなくても大丈夫ですよ」
「ふんっ、狸の言い分なんてどこまで信じられたものか」
「買いかぶりですよ」
いや、信じられんな。
なんて思ったのは百夜だけでなくソルトまで。



