そんな六花の逃亡に蓮華がショックを受ける筈もなく、寧ろ実に満足だとクスクス上機嫌に笑ってまでくる。
なんとも相性がいいというのか悪いというのか。
この一連の流れを傍観し、普段は我関せずな百夜でさえ思わず苦笑を漏らすのだから。
「リッ君はともかく、蓮華君に好かれるなんてまた難儀な事だねぇお嬢ちゃん」
「勝手にあっちが盛り上がってるだけだ」
「ククッ、お嬢ちゃんがそういう態度な程蓮華君は燃え上っちゃうんだよ。リッ君も浮れて惚気て気を抜いてるとあっさり蓮華君の糸に嬢ちゃん絡めとられて泣くことになるよ?」
「だぁれが気抜くかっ!」
「僕だって。何かしようものなら逆に簀巻きにして蜘蛛の餌にしてやる」
やってみやがれ!と蓮華に中指を突き立てたのはソルトも六花もほぼ同時。
相思相愛だコノヤローとばかりに息の良さには普通であるなら敵わないと引きをみせても可笑しくない。
まあ、蓮華がそんな殊勝な心持である筈もなく、突き立てられた中指にただひらりと手を振って笑うのだ。



