逆転とは違うのかもしれないが、時雨が知っていて百夜が答えを問う場面などまずそう見れるものじゃない。
かといってその珍しさを楽しむ様なソルトの心境でもなく、百夜同様に時雨の答えを今か今かと待ち構えていたのだ。
そんな中での時雨のいつもの穏やかさは焦ったく感じる程。
勿体ぶらずに早く!と気持ちが急く中。
「説明と言っても…先程お二人が立てていた仮説のままの生き物ですよ。魔物でありながら魔を食らう異色のはみ出し者。魔力を誇りとする魔族からすれば同族でありながら危惧すべき厄介者」
「稀という事は種族的そう多い個体じゃないという事だよな?」
「そうみたいですね。僕が知る限りでは絶滅危惧種というか……今はその個体は世界で唯一人ではなかったかと」
「はっ!?それ希少価値も希少価値というか、存在するかも怪しいレベルの秘獣じゃないですか!」
「だから言ったでしょ?知ってる方が稀だって」
「それが本当に存在するとして、どうしてそんなに希少になったんです?やっぱり魔力を糧とする事で魔族との衝突があったりしたからとか?」
「いえ、魔を食らうと言ってもイーターの主食がそれというわけではないんですよ。魔力を食らう事が出来てもそれをしないで生きていけないわけじゃないんです。まあ、言わば魔力は別腹の趣向品とでも言いましょうか」
「あっ…あんな…感じ?」
「ええ、まさに今のお嬢さんのように。イーターにとって魔力は気分の高揚するアルコールであり、スイーツであり、薬であり。…と、いう事らしいです」
今も飽きずに魔力のスイーツに高揚している六花がいい証拠。



