そんなソルトを横目に一笑していた百夜であったが。
直ぐにその口元の弧は真横に結ばれ、意識もするりと移行するのだ。
六花の方へ。
そうして目を細め目の当たりにする光景に息を吐くと。
「それにしても…魔力を食らうとはねえ」
「あっ?何を今更…」
「いや、今更であって今更じゃない事だろうて」
「どういう事だ?」
「ここまでの流れ、僕はお嬢ちゃんが魔女であると同時にまた別の種の魔混じりなんじゃないかなんていう仮説も立てていたんだ」
「魔女に魔が混じってんのは当たり前の話じゃねえのか?」
「魔物にだって種族や種別があるだろうに。全部引っくるめて同じとはいわないだろう?魔女も一つの種族と同じだってことさ」
「つまり、六花は魔女と魔物のハーフとでも?」
「と、思ったんだけどね。お嬢ちゃんの治癒能力と魔力を食らうのは根本が別だと思うから。だけど…魔力を食らうってのがねえ」
「なんだよ?それがそんなに問題なのか?」
「魔物にとっての魔力と言うのは生命力の一種だ。こんな風にお気持ち程度分け与えるくらいなら差し障りはないけども、量や頻度が増せば底だってある」
「……それって、魔物にとっては天敵にも感じられる気がするんだけど?」
「だからさ。魔を食らうなんて魔女としても人間業でない事だ。つまりは父方からの遺伝だと考えるのが妥当だが、魔を食らう魔物なんてのもまた異色も異色。同族喰いのはみ出し者って事になる」
「そんな魔物っているのか?あ、夢魔的な?インキュバスとか…」
「あれは魔力というより精気を奪う類いだろう」
「他に思い当たるような奴はいないのかよ?」
「思いあたっていたらここまで論議が展開しないさ」
「あ〜〜、マジに突き詰める程深みにハマるパターンじゃねえかこれ」
考えれば考えるほど六花の出生は謎めいたものになってくる。



