徐々に埋まる2人の距離には、いい加減にしろ!と六花の首根っこを掴んで強制奪還したのだ。
「ソルトってば酷いぃぃ。乱暴ぅぅぅ」
「目の前で堂々と浮気するような女に文句を言う権利はない」
「浮気じゃないもんんん。」
「ほう?じゃあ逆に俺が他の女膝に乗せて美味しそうだの言ったらどうするよ?」
「この世から僕以外の女は全て消し去る」
「それが今の俺の心情だと思え」
「っ〜〜きたぁっ!今これきたっ!胸も子宮もぎゅ〜ってきたよっ!?トゥンクってやつだよ!!」
「ねえ、そろそろ惚気漫才も気が済んだかな?それとも相談乗らなくていいってならお引き取り願いたいんだけど」
「帰るかボケッ!!こちとら好きでこんなアホトークかましてるんとちゃうわっ!!」
ソルトだって進められるならさっさっと本題に入りたいのだ。
寧ろソルトからすれば話の腰を降り続けていたのは六花や百夜。
そのマイペースさに突っ込みを入れていた結果の今であるのだからして、惚気てるなんて言われるのに不満を抱くのは当然。
それでも、ようやく本腰になった空気を自分の苛立ちで無下にする気もなく。
「はぁ…とにかく、こんな風に規格外な女なんだわこいつ。魔力を食い始めるわ、魔女の特効薬は効かないわ。……一応聞くけどこういう感じの前例ってあるのか?」
もしかしたら公にされていないだけで似たような案件があったのかもしれない。



