実にグサリとくる六花の切り返しには見えない血を吐き、成人としての罪悪感を覚えつつも。
「えっと…とにかく…色々、諸々、例の魔女っ子の六…」
「この部屋あっまぁぁぁい!」
「あっ、こらっ!!」
「なんかなんかっ…、ん〜っ堪んないっ!!」
「勝手に動きまわるな六花!!」
「だってなんか色んな甘い匂いがするよ!?甘味パラダイスだよ!?スイーツビュッフェだよっ!?そりゃあ血湧き肉躍るでしょっ!!」
「そこは乙女に心踊るって言い回しにしとけよ!!ってか、そうじゃなくて騒ぐなっ!!俺が紹介してんだろうがっ!」
「いや、だからソルトが僕を紹介したのに改めて僕が名乗る必要ある?ってか、電話の段階で自己紹介ならしたし」
「TPOっ!社会的マナーっ!!…って、コラっ!!?何飲んでやがんだっ!?試験管っ!?」
「いや、なんか実に美味しそうな誘惑をこの試験管の中味から感じてさ。うん、美味」
「極上スイーツ食った女子みたいな良い面してるんじゃねえよ!?試験管に入ってたって時点で食い物じゃねえからなっ!?薬品って事だからな!?」
「あ〜、こっちのシャーレの甘味も美味しそ〜」
「六花ぁっ!!」
実にマイペース全開。
初見の場所だろうが初対面だろうが御構い無し。
ソルトの挨拶なんてそっちのけにピョンっと部屋を駆け回る姿は子猫の如く悪戯精神もちらりちらり。



