だって…くそ可愛いんだもん、こいつ。
あー、もう…こっちが無理。
寧ろよくここまで我慢した方だって褒め称えてくれ!
ようやくだぞ?
ようやく何の弊害もなく欲求のままに触れられるんだ。
でも、こうなってみて改めて認識したよ。
ああ、俺ってこいつの事本当に好きなんだなって。
今更自分の気持ちを疑ったり誤魔化したりする気はないが、やっぱり少しばかり疑念はあった。
六花が魔女であるから抗えぬ様に求めてたんじゃないかって。
恋心が0でないにしろ、その内の何割かは魔女との因縁じゃないかって。
でも、はっきりした。
魔女だとか関係ないわ。
あの誘惑的な香りが無くてもこんなに焦がれて欲してしまう。
虜になってしまう。
「六花…」
「っ…やっ、ちょっ、耳元で呼ばないで…」
「六花、」
「なぁぁぁぁ!!確信犯!今のは確信犯んんん」
「クックッ…六花、」
「っ…も…しつこ_」
「…リッカ、」
「………へ、……へ?」
「…俺の名前、六つの花って書いてリッカっつうの」
「……………」
「いい名前だっただろ?【六花】って」
「………………」
まさに鳩が豆鉄砲。
思いもしなかったソルトの本名の判明には羞恥の感覚までリセットされたらしい六花の呆け顔。
思いもしなかったのだ。
まさか自分がソルトの名前を与えられていたなんて。
その場で思いついた名前だとばかり思っていた。
特別意味もなく適当に字面や響きの良いものを選んだだけだと。
それなのに…。



