形ばかり、口元を両手で覆ってはいるが指の隙間から覗く口元は緩みきり、元々大きな双眸は瞬きを忘れたようにぱっちりと開いて恍惚とさえ。
勿論そんな六花の反応はソルトも目の当たりにしている事で。
なんつう色気のない声を。とは思っても引いたり萎えたりはしていない。
寧ろあまりの六花らしさに可愛いと笑い飛ばせる程に順応ずみなのだ。
そのまま六花に口づけながら服を乱していくのも実に無駄がなく流暢な大人の余裕の所作。
しかし、流石にここまでおふざけもヘタレもないソルトの大人の男仕様には、歓喜の興奮もあれど馴染まぬ戸惑いもチラリチラリな六花がいて。
「っ~~~もうダメ…絶対今日が僕の命日。しかも死んだら絶対成仏しちゃうぅぅぅ」
「クックッ、なんだそりゃ。つーか、六花さまらしくなく欲がねえのな」
「ふへっ?」
「死んでもぜってえ離れないって憑りつくくらいしてくれねえの?」
「っ………す……すりゅ(する)……しまふ(します)……」
「フッ……良い子だな、六花」
「っ……」
のぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
と、六花が心で悶絶の末大絶叫しているなど……表情で薄ら読み取っているソルトであるが。
六花の方と言えば激変したソルトのSっ気モードに嬉しいやら焦るやら。



