「魔女じゃ…ない?」
「多分ね〜。自分にかけてた魔法が一瞬でとけたのがいい証拠じゃない?まあ、服とか物資的な物はそのままで残ったみたいだけどね。流石に生態の理り捻じ曲げた成長のキープは無理だったみたい。残念だったね〜ソルト」
「っ…アホかっ、そんなんどうでもいいっ!それよりお前は良かったのかよって話だ!!」
どこまでもあっけらかん。
自分の事に無頓着な生き物だとは知ってはいたが、流石にこの力には執着があったはず。
生まれた時から備わっていた力だ。
その力を疎ましく思って普通を求めていたならいざ知らず、六花の場合はそれを必要とし生きる糧でもあった筈。
それをこんなあっさりと手放して良かったものなのか…。
そんな剣幕で六花の肩を掴み見つめ抜いてくるソルトに対し、六花はコテンッと小首を傾げて不思議そうな眼差しを返しながら。
「僕の一も二もソルトだよ?」
「っ……」
「僕が魔女でいたのはソルトを繋ぎとめる為だったからだ。それがこうして弊害なんだってわかった今魔女でいる理由なんかないじゃない」
「でも、今までだってその力があったから生活してこれたんだろう!?住処にしろ食事にしろ。それを…」
「まあ確かに魔力なしの僕は実に都合も世間体も悪い無一文の学なしニートってやつなんだろうけど……。でも、ソルトは気にしないでしょ?」
「っ……」
「寧ろ、ソルトの為に僕の唯一の生活力を手放したんだ。責任とって僕に尽くしてくれるでしょ?」
「っ〜〜お前はぁぁぁ…」
六花のソルト馬鹿はどこまでも。



