あまりに呆気なく唐突な事の展開にソルトだけ置いてきぼりに惚けてしまっていたが。
「はぁぁぁ。医学?化学?の進歩って凄いや。即効も即効だあね」
「……」
「でも…うーん、やっぱりなんか…パワーダウンした感覚ぅ」
「………お…まえ、」
「ん?どうしたのソルト。口の締まりでも悪くなった?」
「っ…悪くもなるわっ!だって…お前、今っ!」
「特効薬打って魔女卒したけど?」
それが何?とばかりのあっけらかん。
あれだけ固執していたのにこうもあっさり。
もしかして手の込んだおふざけの一種で、本当は特効薬なんて打っていないのではないかと思わず空の小瓶を拾いあげたほど。
それでも確かに拾いあげたそれは政府認定紋の入った特効薬の小瓶。
じゃあ、本当に人間に!?なんて、疑問を抱くまでもない。
現に、あれだけソルトを悶々と悩ませていた甘い香りが感じられないのだから。
それでもだ。
頭で理解しつつも口から出てくる言葉はどうしても戸惑いに満ちてしまうらしい。



