ソルトの家族はソルトを特別視をするでもなく、変わらぬ愛情と対応で接してくれたのだ。
「それで?」
「ん?」
「ソルトの親もやっぱり魔導師さまに駆け込み寺したの?こうして政府公認の神父さましてるくらいだし」
「ウチの場合駆け込みって言うよりも両親が政府勤めだったから」
「ああ、成る程」
「まあ、政府に魔混じり報告したらもれなく将来の進路は神父になるけどな」
「ソルトも案外窮屈にこの世を過ごしてるんだねぇ」
「窮屈さで言えば魔女以上だかんな」
「魔混じりねえ…」
「お前はやっぱり驚かねえのな」
「魔女や魔物がいるならそりゃあ間の子がいたって不思議じゃないって。それに、謎めき具合だったら僕も張り合えるレベルでしょ」
「ご尤も、」
六花の事だ。
魔混じりの詳細を語ってもそう驚かないだろうと予測はしていた。
その予想は的中とばかり、こうして国家機密である事実を暴露しても『それがどうした?』とばかりの手応えのなさ。
今でさえあまり興味もなさげに自分の長い髪を編んだり解いたりして遊び半分に聞き入れているのだ。
そんな六花の反応には呆れもするが安堵もする。
六花にとってソルトがソルトであれば問題がないのだ。
それが意図となく伝わってくるのだから、ソルトが嬉しくない筈がない。



