きっとこの先も長く付き合っていかねばならぬ問題なのだ。
わざわざ無駄に乱用して効能を下げるような真似をする筈もない。
「まあ、さっさと帰って抜くかするのが一番手っ取り早い改善策だろうねぇ。だいぶ色濃く魔女の色香が残ってるみたいだし。取り敢えず今日のところの事情聴取も終わってるんだろう?」
「……いや、寝る」
「おやまぁ、欲求不満を圧してかい?」
「他の魔女の色香に負けてそんな事しようもんならもっと強烈な呪い食らいそうだからな」
「クックックッ、早くも尻に敷かれてるってところかな?」
「はぁ……も、それでいい。今日はもうお前の憎まれ口に返すのも限界だ」
事実、限界…。
何とか気力で保っていたが肉体的にも精神的にも疲労困憊であるのだ。
思考をしようにも集中力さえ続かない。
何とか立ち上がってみてもふらりと足元がおぼつかない程。
そんなソルトに百夜も特別追い打ちをかけるつもりもなく、
「大事に~」
相変わらず煙管から甘ったるい匂いの紫煙を漂わせ、ひらひらと手を振ってみせるだけ。
ソルトも礼儀として治療に対しての礼を発したのを最後にフラフラと百夜の研究室を出て帰路についたのだ。



