ここは大人しく時雨に従うほかないと結論は出るもののだ。
一体、何をどこまで明け透けに話していいものか。
まさか、相手が魔女だと言うわけにはいかないし、かといってその理由無しに自分の悩みをまとめられるのか。
うーむと悩む事数秒。
結果、
「その…、」
「はい、」
「なんて言うか、……初めてまともに付き合う相手…なんですよね」
「……初めて?」
「……あっ、性的事情は別に」
「ああ、成る程。ですよね、リッカ君の色男ぶりは常々耳にしてましたから」
色男ぶりってどんな噂だ?
と、自分の噂の内容について突っ込みたい気持ちはあれどだ。
なるべく早くこの時間を終わらせるにはスルーするのがベストだろう。
そんな言い聞かせをして一息。
「まあ、そんなわけで、恥ずかしながらまともな恋愛の進め方が分からないというか。しかも…相手がちょっと…いや、かなり年下で」
「おや、それはまた意外な。てっきり駆け引き上手な大人レディがお好みかと思ってました」
「いや、まあ…一晩限りのって関係であれば確かにそういう女性の方が…まあ、」
「フフッ、都合がいいですよね。言い方は悪いですが」
「まあ、…そんなところです」
この人っ!!
女性に対しての失言である言葉をサラッと代弁してくれたよ!!
まさにそれっ!



