暗闇の向こう側

「彼氏とかいるの?」

突然神崎君に聞かれる。

彼氏。旦那さんはいる。もうこの世にはいないけど。


「ううん。私、結婚したの」

すると、神崎君が少し悲しそうな顔をした。

「でも、亡くなったんだ」

私がそういうと

「そうなんだ」

少し、空気がどんよりした。