暗闇の向こう側

玉木とは私の旧姓だ。

声がした方を見ると、キリッとした男の人が立っていた。


周りからしたら、とってもイケメンなんだと思う。

私はどうでもいいけど。

私は、涙を隠すように拭く。

「あの、ごめんなさい。どちらさまでしたか?」

そういうと

「あ、ごめん。ごめん。神崎修二。
玉木とは、一応中学が一緒だったんだけど」