残り香

このことはあなたとあの子にしか話していないはずなのに、すぐ彼の耳にも入った。





あなたが口が堅いことは知っている。
そうすると、あの子が言ったことになる。








彼に問い詰められて、私は告白を断っていたけど、その事は伝えられてなかったから、すごく怒られた。







何とか誤解を解いて普通に話をしていると、あの子が私の悪口を言っているらしかった。








彼から無理やり聞き出すと、「男なら誰でもいいだよ。」と言っていたみたいだ。







なんでここまで言われなきゃいけないんだろう…。
私は、今まで我慢してきたのに。そんなに私を陥れたいの?
そこまでして、人のモノ欲しがる理由は何?





彼との電話を泣きながら切った私は直ぐにあなたに連絡をした。








泣きながら話したせいで聞き取りにくかっただろうけど、あなたはちゃんと話を聞いてくれた。



あなた「どうした?」

「あのね…グスッ…」

あなた「うん。ゆっくりでいいよ。」

「あの子が……グスッ…私の…グスッ…悪口を……言ってて…グスッ」

あなた「うん。何て言ってたの?」

「グスッ…男なら……グスッ…誰でもいいって…グスッ…それで…彼に…グスッ……問い詰められて…」

あなた「そっか。辛かったね。」

「私だって、ちゃんと断ったのに…グスッ…そこは言ってないから…グスッ…本当に…私が誰でもいいみたいに思われてた…」

あなた「彼氏なら彼女の言うことを1番に信じてあげればいいのにね。それで、どうしたいと思ってるの?」

「別れたい。」

あなた「そっか。そこは自分の自由だから、俺は何も言わない。でも、自分が傷つかないようにはしなよ?」

「うん。ありがとう。」

あなた「今日はもう遅いからゆっくり休んで、明日はちゃんと学校来るんだよ?」

「うん。分かった。遅くにごめんね。おやすみ。」

あなた「ううん。気にしなくていいよ。おやすみ。」