カフェから出て湖のある公園を2人で歩く。

咲月はバスケ部での出来事を楽しそうに話してくれた。

昔から運動は得意だったけど、特に球技は人一倍上手かった。
1年とはいえ、きっとすぐに試合に出られるだろう。

ふいに咲月は口を閉ざした。

僕の話を待っている…?

「咲月」

立ち止まって彼女を見る。
緊張して顔が強張っているのがわかる。

落ち着いて、僕。

「さっきの続きだけど…」
「うん」
「僕は……咲月のことが好き。だから、友達じゃなくて、咲月の…“彼氏”になりたい」

咲月を守れるような強くてかっこいい人になれたら……って、ずっと思ってた。

少しでもいい。
彼女が心から笑顔になれる。
そんな場所を作ってあげたい。

「めぐる、くん…」
「咲月は、どう思ってる?」

僕の問いかけに咲月は静かに目を閉じて、深呼吸をしてから口を開く。

「めぐるくんが好き、です」

小学校の卒業式の帰り道。
二人で手を繋いで歩いたあの日みたいに、僕の胸は高鳴っていた。

両想い、だったんだ。

叫びたくなる気持ちを抑える。

頬を赤く染めて笑う彼女をぎゅっと抱きしめて「ありがとう」と言った。