眠る井ノ上くんを起こさないように、彼の肩にタオルを掛ける。水泳は肩が大事だとテレビで言っていたしね。
ちょっとお馬鹿な井ノ上くんが、なんだか今日は色々聡くて驚いた。難しいことを考えて考えて、言葉にするのは大変なこと。
私の面倒な部分を嫌がらず、一緒に楽しめることを探してくれてありがとう。
ただの防衛策でしかなかったことが、井ノ上くんのおかげで、癒しの方法という素敵な名前に変わった。
夏が嫌いな私、ではなくて、夏が苦手な私、と言ってくれる井ノ上くんの優しさは素敵です。
毎日毎日、柴犬みたいな可愛らしい井ノ上くんを見るのも最高だ。
井ノ上くんといるのは楽しいよ。井ノ上くんもそう思ってくれることが、私はとても嬉しい。
初めて見た夏の日の出なんて、井ノ上くんと一緒だったこと含め、こんなの一生忘れられない。
「私も、同じだったよ」
今日、井ノ上くんが言ってくれたことは、私もとてもそう感じていて。
違うところの多い私たちが、こうして歩み寄りながら、お互いの重なることの出来る部分を探し、まじりあえること、それが心地いいなんて。
それが井ノ上くんとだなんて、とても幸せなこと。
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