「ねぇねぇ、菊本君ってかっこいいねぇ!」

SHRが終わって、小川がいなくなると、女子が菊本のところへわんさかとやってきた。

「・・・。」

菊本は、ただ不満そうに机につっぷしている。

ふと目が合った。

だから、

「助けてやろうか?」

と口パクで言うと、少し悩んでからこくっと頷いた。


「おい女子、菊本だって女より男と話したいよな?そのへんにしといてやろうぜ。」

「えーだって・・・。」

「だってもくそもねぇの!ほら!行ったいった!」

手でしっしっとゆう仕草をすると、

「あ!わかった!サト(俺のあだ名)、嫉妬してるんでしょ?自分がモテないからって。」

一人が確信を持ったような口ぶりで言った。

「んじゃ、そういうことにしといて。」

「仕方ないわねぇ、じゃ、行こっか!」

そういって、女子は菊本から離れて行った。