あいつに 会ったのは その日の 夜だった。

   明後日からのバイトの説明を受け 

夕飯後 明日は休みだから 

   ホテルの最上階のバーで飲むことにした。


   プールサイドに設置されたバーは 薄暗いが 

   プールの中にライトが埋め込まれ

   ゆらゆらとした明かりが輝く

   サイドのヤシの木なども間接照明で

   ライトアップされて 良い雰囲気をかもし出している

   プールサイドに席を取ると  

   ちょうどつぐみが 二人組みの男たちに 

   ビールを運ぶところだった

  ・・・・あいつ 夜はこんなところで 働いているのか?

   「ねえ ツグミちゃん 何時アップ? 

     俺たち明日帰るんだけど 飲みに行かない?]

   「彼に 怒られるから 行きませんよ!」

   「エー彼いるの  うらやましいな~どんな奴???」

   「それは 秘密です!!!!」ニコニコと  

    カウンターに戻っていく。


    あ・・・・・・・

    信は  つぐみの言葉に 衝撃を受けていた

    思いもよらなかった言葉・・・・

    自分の前から姿を消し 自分がほかの女に

    ふらふらとしている間も

    なぜか つぐみには 男がいるわけがないと思っていた
  
    というよりも 考えもしていなかった


    つぐみの 彼氏・・・・ どんな奴だ・・・・・

    あいつが 腕に抱かれ微笑む 

    考えたくない現実を突きつけられる


  「・・・・・・ ねえ・・・・・・・シン 聞いてるの?

    さっつきから ぼ~として どうしたの?」

   「 えっ?ああ  なんでもない。」

    すずの存在を忘れていた信

    だいたい なんで ついてくるんだよ・・・

    心のつぶやきを 思わず声に出していたようで

   「シン そんな 連れないこと言うなよ。 

    これから1ヶ月寝食ともにするんだから 前祝だよ。 

    ビーチに負けないぐらいの熱い恋しようよ~」

    遥斗が 踊るように上半身をくねらせて

    カクテルを持ち上げる