まだ誰もいない保育室で

    窓の外を見て 

    そんなことを思い出していた

    コトッ

    休憩を終えた優子が 

    託児室に入ってきた



    「あっ!ごめん 

     誰もいないと思って
 
     ノックもしないで

     つぐみ どうしたの?」

    「あ なんでもない・・・・」
  
    「何でもない 

顔ではなかったけど・・・・・

     なんか 悩み事?」

「え? 悩みなんかないよ」

     と言いながら にっこり笑うと

     優子が 言いずらそう二

     「ねえ 

ちょっと聞いてもいい?」

     「なに?」

     つぐみが ニッコリと屈託なく

     微笑みながら聞くと

    「つぐみと信は 

本当に顔見知りなだけ?」

     顔を覗き込みながら聞く

    「どうして?」

    少し身構えたように見えたつぐみに

   「ん~どうしてって言われると

    ・・わからないんだど

・・・・・」

    優子が 困った表情を

    浮かべながら 

窓のほうに進みながら

    思いついたと
  
    いうように振り返り


    「今までと 

シンの様子が違うから?

     かな?」

    まるで 探偵が 推理を

    話すように 声をひそめ

    窓に 背中を預け

   「それに よそよそしくしているけど

    なんか不自然で・・・・・

    二人は お互いのこと

    本当は よく知ってて

    でも 知らないふりして

    いるんじゃないかな?」


   「様子が違う?」

    つぐみが 不思議そうに

    優子に 首をかしげながら

    聞くと

   「あのね 信は確かにいろんな女と

    遊んでいるけど2度はないの

    それも 他のやつみたいに

    単純に遊んでいるって言うより

    寂しそうっていうか

    やりきれないっていうか

    なんか むなしそうっていうのか?  

    他の子が 何人女の子を

    落としたとか 数を競っても
  
    そんなのは 全然興味なし!

    寂しさを埋めるために

    遊んでいるような????

    こんな 表現しか

思いつかないけど・・・
    
    高校2年の頃は 酷かった・・・

    何でか 

すごく荒れていて・・・・・

              
    でも  それが始まる少し前に

    何かあったんだと思う

              
    その時の信の醸し出す雰囲気と 


    今が似てるの・・・・・

なんだろう?」





    それって ・・・・・

     つぐみは 

その頃のことを考えていた