「そんなに珍しい?」


『っ! お、起きてたの?!』



暁くんが、パチッと目を開いた。



言葉とは裏腹に

優しい目だった。




『大丈夫?』

「全然ヘーキ」

『うそっ!』


暁くんの頭に手をのばし、
そっと触れてみる。



『ほらここ、たんこぶ』

「触んなよ」

『だってヘーキなふりするからっ』

「大丈夫だって。
 こんなの、剣道部だったら
 毎日できてるよ」

『・・ごめんね』

「何が?」

『私のせいで・・』

「だったら・・
 もう1回、して」

『ちょっ! ばかっ!』