「で?伊勢崎くんの紹介で働くなんて、一体どういう関係なの?」
ど、どういう関係?
突然斬り込むようにたずねられ、思わず「えっ」と声が出る。
「いえ、静とはただの知り合いというか……なんというか」
「なわけないでしょ。伊勢崎くんの周りの女がここで働きたいって言っても『知り合いと仕事はしたくない』って頑なに断ってたのに」
「確かにそうねぇ。それに、伊勢崎先生のことを『静』なんて呼ぶ人初めて見たわ」
怪しむようにこちらをジロリと見るふたりに、心臓がギクリと嫌な音を立てた。
まずい、疑われている。
だけどここで『元カレ』だなんて言おうものなら絶対仕事がやりづらくなる。
短期のバイトだろうとそれはいやだ、知られるわけにはいかない。
「ただの高校の同級生です!本当に、ただの!」
「同級生?」
強く念押しするように言うと、ふたりは目を丸くして驚いた。
そして壇さんは、続いて興味深そうにたずねる。
「へぇ、それはそれで面白い話が聞けそうじゃない。伊勢崎くんの高校時代ってどんな感じだった?ヤンチャとかしてた?」
高校時代の静……そう言われても。
黒髪が茶髪だったことと、スーツ姿がワイシャツとパーカーという制服姿になったくらいで、今とあまり変わらない。



