「え……これ」
もしかして、と驚きを隠せずにいると、静はそれを手にとり私の左手薬指にそっとはめた。
ダイヤモンドが真ん中に大きめのものがひとつ、そしてそれを挟むようにサイドにも細かく並び、キラキラと光に反射する。
指輪から彼へと視線を戻すと、静は真剣な顔つきで私の目を見る。
「俺も、果穂とのこれからを大切にしたいって思ってる。だから、俺と結婚してほしい」
その言葉を口にする彼の、かすかにふれる指先が緊張で少し震えているのを感じた。
これほどまでに深い愛情で包んでくれる彼がいっそう愛おしい。
こみあげる涙をこらえて、私は笑顔で頷いた。
「……うん。喜んで」
花が咲くような笑顔を見せて、静は思い切り私の体を抱きしめた。
互いの知らない12年間を、これから少しずつ知っていこう。
そしてそれ以上に永い時間をともに過ごして、思い出で彩っていくんだ。
うまくいかないときもあるかもしれない。
だけど大丈夫。
空に輝く打上花火を見る度、胸にはあの夏のふたりがいる。
ずっと、いつまでも。
end.



