クールな弁護士の一途な熱情




10分ちょっとでお風呂が沸き、静の勧めもあり私は先にお風呂を借りることにした。



浴室もまた大きい。

男性のひとり暮らしにしては隅々まで綺麗にしてあり、休日にお風呂掃除に励む静が想像ついてちょっと笑えてしまった。



髪と体を洗って手短に入浴を終えると、彼が先ほど手渡してくれた服に着替えた。

パーカーの袖もジャージの裾も長い。

身長が高いから裾が余るのは想像ついていたけれど、改めて体型差を感じながら袖をまくりドライヤーで髪を乾かす。



なんか……まるで恋人同士みたい。

なんてね。いや、静はただ親切心で泊めてくれるだけで、下心なんてないのだろうことはわかってるけど。



そんなことを考えながら、なにげなく足元へ目を向けた。

すると、なにかキラリと輝くものがひとつ、落ちているのが目に入る。



「ん……?」



拾ってみると、それはゴールドの金具に小ぶりなダイヤが輝くピアス。

ハートの飾りがついているそのデザインから、女性用なのは明らかだ。



脱衣所に女性物のピアス……って、明らかに誰か泊まってるじゃない。

頭の中でその考えに行き着くと、つい先ほどまでの浮かれる気持ちは一気に冷静なものになっていく。



危うく勘違いさせられそうになってた。

やっぱり、誰にでも優しい彼にとっては私もその他大勢と同じ。

困っていれば優しくする。特別な意味なんてない。



冷静になりながらもモヤモヤした気持ちで、手にしていたピアスを洗面所に置いて、私は脱衣所を出てリビングへと戻る。