「別に、明原くんのこと嫌いじゃないし。

友達ならキスなんてしないからそんなこと言う場面なんて出てこないよ」


「あーもう。これ以上好きにさせないで」


そう言って、彼の頭が肩にコトンと乗っかった。


「重いよ」


「うん、少しだけ」


こんな彼の行動を拒まない私も私だ。


一線を越えてはいけない。


越えた途端、彼は私から離れていく。


私は何もせずに目をつぶった。