その途中、薄暗い電柱に人影が見えた。


「あ…」


彼の歩く速度が速くなる。


私は何も言わずに少し小走りで彼についていく。


行先は公園で

街灯の明かりが付き始めたころだった。


「少し、話してっていいかな」


「大丈夫だけど…」


私たちは誰もいない公園のベンチに腰掛けた。


「俺さ、ああいうのダメなんだ」


ああいうのとは

多分さっきのキスのことだろう。


公共の場ですることがってことかな。


まぁ、わたし的にはどこでやっても構わないんだけど。


特に興味ないし。