女の子はお母さんやお父さんが起きないようにそっと扉を開けて、家を出ました。

外は暗く静かです。

女の子は手にした熊のぬいぐるみを両手でぎゅっと抱きしめました。

森の入り口がある家の裏まで行くとやはり物音が聞こえてきます。

女の子は素足のまま、そろそろと歩き出しました。


森の中は家の前以上に薄暗く、秋も深まったこの季節にはとても肌寒く感じられました。

しかし女の子は中の様子が気になります。

寒さからか、恐さからか、熊のぬいぐるみにさらに力を入れて中へと進みました。