あなたの義理の妻になります!

【陵 side】
今、一瞬何が起こったのか分からなかった。

実は、俺は確かに10分ぐらいは寝たがそれから彩佳が起こしてくれるまではずっと起きていた。そのなかでの出来事だった。

彩佳にキスされた。そう認識するのに、時間はあまり要らなかった。

けど、ここで目を開けるのもお互いに、というか、主に彩佳が気まづくなるだろうと思い、寝たふりを貫き通した。

彩佳…
彩佳は覚えてないだろうけど、俺達はお見合いする前に一度だけ会っていた。

それから、彩佳が俺の前に〟天ヶ崎日向〝として現れた。
最初は名前を名乗ったときに、は?とは正直思った。

でも、こいつは名前は違うけど彩佳だという確信はあった。俺は、小さい頃に一度だけしか会ったことのない女の子がずっと好きだった。