あなたの義理の妻になります!

ーちょっとしたハプニングから少したった頃、陵君から指定されていた30分たった。

あ!起こさなきゃ!
「陵君!陵君!起きて、時間だよ!」
私の膝の上で寝ている人に少し大きな声で呼び掛けたら

「…………ああ。もうたったんだ。」
ムクッと起き上がって、陵君は何もなかったかのようにまた、デスクに向かって仕事をし始めた。

「…なあ、彩佳。」
「んー?どうしたの?陵君」
パソコンで作業中の陵君が振り向かずに
「俺が寝てる間に何かあったか?」
って聞いてきた。

私は一瞬、さっきのことが頭をよぎったけど……違うよね。陵君は仕事のことを聞いてるんだよね。と、すぐに否定した。

「ううん。何もなかったよ。」

けど、陵君からすぐに返事が返ってこず、少し間が空いてから「ふーん。ならいいけど」と、素っ気なく返ってきた。