「それにしても凄いね。こんなに沢山の仕事をするなんて」

私がそれとなく言っただけの感想に陵君は驚いていた。けど、すぐにいつもの顔になりながら

「そうじゃなきゃ、親父には到底追いつかないからな。いつだって、俺の目標は親父だったから。だから、これくらい出来るようにならなきゃ意味ねーんだよ。」

陵君は初めて私に、自分のことを話してくれた。

「そうなんだ…じゃあさ、私にも手伝えることない?」

「…は?」
突然の私の提案に、何言ってんのこいつみたいな表情をしていたけど、「ふーん。じゃあ、そこ座って」って、陵君が、指を指したのは陵君のベッドだった。

「え…」
「手伝ってくれるんだろ?」
そう言ってニヤっと笑ったのは言うまでもない。

…一瞬何言ってるのか分からなかった。


ー「えーと、何コレ…」
「いいから、動くなよ。」