あなたの義理の妻になります!

「ごめんごめん。暑いから早く帰りたくて」
振り向いた香耶ちゃんは、苦笑いしながら言ってきた。

そう言われると私もだからなにも言えないかも……
てか、香耶ちゃんは私と違って正真正銘お嬢様なのに送迎じゃないのは何でだろう?
いつも、一緒に帰るのが当たり前で気づかなかったけどふと今思った。


昇降口に向かいながら疑問を香耶ちゃんにぶつけてみると
「あー…それはねー簡単な理由だよ。
家がすごいからってイコール私がすごいじゃないでしょ?なのに、わざわざ送迎してもらうのは違うんじゃと思って。だから、毎日電車と歩きで、学校に通ってるの。」

……香耶ちゃんは普段から失礼だけどお嬢様らしさを感じさせないな。とは、思ってたけど、まさか通学の仕方にまで、でてるとは……

「香耶ちゃん……そこらのお金持ちとは違う考え方するんだね。」

尊敬を込めて言ってみたら、
「ふふっ……ありがとう」
普段あんまり見ない笑顔になった。