つまり、今、私達が一緒にいるところを香耶ちゃんに見つかったら、説明してないから非常に不味いわけでー……

「ど、どうしよう……」
目の前の陵君にとっさに助けを求めた。

だけどリビングから玄関に行くには私が使ってる部屋と陵君が使ってる部屋の前を通らなきゃいけないため、香耶ちゃんと万が一出くわしたら終わる…

そのため、頭のいい陵君もお手上げと言うように手を上げていた。


「もう、諦めて俺らのこと言えば?」

「……何て?」

「仮の夫婦です。って」

…………今、目の前にいる男の人は何て言った?『仮の夫婦』?何正直に言おうとしてんだーー!

だから!それが簡単にできたらこんなに悩んだりしないっつーの!

そう思いながら、アタフタ慌てていたら

ガチャッ

リビングの扉が開く音が聞こえ、恐る恐る振り返ってみると……驚いた顔をした香耶ちゃんがそこにいた。