「あ、これ、本西くんがぶつかった時に落としちゃったんだよね」
そう言って私が取り出したのは、ミントグリーン色に黄色の星が一つかいてあるしおりだ。
「眞奈!」
きゃっ!
私が驚いたのは音羽ちゃんが急に私の肩をつかんできたからだ。
「遼くんにまた会えるチャンスじゃん!」
そして音羽ちゃんは「いいな~」と、つぶやいた。
「本西くん、どこにいるかな」
「屋上とか?」
「あ、ありがとう」
私はすぐに屋上へ向かった。
いない...。
じゃあ、どこに?
とりあえず、保健室に行ってみる。
ここも、いない。
他に思い当たるところがない。
もう、帰って明日先生に渡してもらおう。
そして私はお気に入りの場所に向かった。
それは、裏門の近くの細い路地を抜けたところにある。

