あり得ない話だ。

まさか?

嘘でしょ?


「リン!リン!」


ロイの声にハッとした私は心配そうに覗き込むロイの目と合う。


「ロイ………。」

「どうした?」

「私………雷に撃たれたのかも。」

「………雷?」


意味が分からない様子で眉間に皺を寄せたロイ。

そんなロイに真剣な口調で話し続ける。


「あの日、てっきり車のライトで眩しくて事故に遭ったのだと思ってた。」

「………。」

「でも、きっと………。ううん、私に雷が落ちたんだ。多分、街路樹の近くを通った時、偶然にも雷が落ちて………。」


一瞬にして意識を失ったが、衝撃的な眩しさは覚えている。

体も一瞬にして動かなくなっていた。


ドン!


また近くに雷が落ちた音が聞こえた。

横目からでも分かる程の眩しさ。

記憶が蘇る。


「雷だったんだ………。」


ロイが私を見つめているのを感じていた。