のんびりと海辺でロイと過ごし、夕方にはホテルへ到着した。

海の見える部屋。

豪華な部屋に辺りを見渡せば、大きなバルコニーが目に入った。

部屋のバルコニーへと出てみれば、空には真っ黒な雲が現れ始めていた。


「ロイ、天気が怪しくない?」

「この時期はスコールがあるから。もうすぐ嵐のような雨が降り出す。」

「嵐………。」


思い出すのは事故に遭った日の事だ。

私が何故かシャノワールへとトリップしてしまった日。

あの日も嵐のような雨が降っていた。


「リン?」

「思い出してたの。私が事故に遭った日を。」

「シャノワールに来たという話か?」

「そう。あの日も嵐のような雨だった。」


外を見ていれば、雨が一気に降り始めた。


「リン!中へ!」


腕を掴まれ、部屋の中へと引っ張ろうとするロイ。


「リン!」


ロイの大きな声も雨音に掻き消される。