ダヴィside


「ダヴィ、見て。」

「静かに。2人ともお疲れですから。」

「ロイ様がソファで眠るなんて………子供の頃以来ですね。」


染み染みと話すのはケリー。

紅茶を淹れようとリビングに入れば、ロイ様がリン様を抱きしめて寝ていた。

2人とも気持ち良さそうな表情に俺も嬉しくなった。

ロイが人を愛する日が来るとは………。


「ロイ様は過去に色々ありましたから、私は心配しておりましたが。」

「そうだな。俺もロイには幸せになって欲しいから。」

「ダヴィも幸せを見つけなさい。私はダヴィも同じように幸せになって欲しいのよ。」


ケリーと目が合えば、安心させるように笑って見せた。


「そのうち見つかりますよ、俺にも。」

「そうなる事を祈ってるわ、ダヴィ。」


本心は隠せただろうか。

ケリーは部屋を出て行った。

俺も眠る2人を膝掛けで包み込んで部屋を出た。