それからはリンを攻める。

婚約者として。

甘いスイーツはエバンズ夫人の思いもよらぬ提案も閃かせた。

俺もヒットするとは思うが………リンをイメージガールに?

俺はかなり不機嫌になる。

リンも戸惑っている。

運が良ければ、リンは断るだろう。だが、


「やってみます。」


やっぱりリンだった。

好奇心旺盛なリンは断らなかった。

不機嫌な俺。

俺の婚約者だと知れ渡っているが、リンに惹かれる男は出てくる。

絶対に出てくる。

誰にも渡さない。

リンは俺の婚約者だ。

エバンズ夫人はやり手の実業家だ。

それは俺の両親が生きている頃から聞かされてきたから知っている。


「リン、俺との関係は知られている。だから堂々と婚約者だと言えばいいから。」

「うん、わかった。」

「それと………浮気はするな。」

「えっ?」


思わず、俺の口から溢れていた。

驚きの表情をするリンと目が合うが、俺は至って真剣な表情で言う。


「浮気………するなよ。」

「………しないけど?ロイ、どうしたの?」


不思議な表情をするリンの頬を撫でれば、ビクッと肩を揺らしている。

そんなリンに構わず俺はリンの唇に触れるキスを落とした。

完全に固まるリン。


「浮気するなよ。」


もっともっと俺を意識しろ………リン。