リンは嘘をついてないようだ。

本当にシャノワールを知らないし、日本と言う知らない国から来たらしい。

事故に遭ったと言うが、医師によれば怪我もしていない。

リンも最初は戸惑いが隠せないようだったが、徐々に元気に取り戻していた。

お淑やかなイメージに見えたが、実際は違うようだ。


「ロイ、お願いがあるの。」


最初は優しく強請る雰囲気だが………


「仕事をしたいの!」


風習の違いもあるらしく、俺とリンは対立する事も多かったが、これもまた新鮮な感じがした。

女と言い争うなんて初めてだった。

レアード家当主の俺と対等に話す彼女を離せなくなっていった。

何処にも行かせたくない!

心の中で思うようになった。

これが愛だと気付いていた。