「ロイ様、大丈夫ですか?」


ダヴィの声に視線を向ければ、何故か表情がニヤケている。


「ダヴィ?」

「初めて見ますね、ロイ様のそんな表情は。」

「表情?」


自分がどんな表情をしているのか自覚がないが、ダヴィのニヤケ顔から……私の顔に締まりがなくなっているように思える。


「彼女をどうされますか?」

「どうとは?」

「勿論、警察に届けますか?それともメイドとして働いてもらいますか?」

「警察………?メイド………?先ずは彼女に事情を聞いてからだ。何故倒れていたのか?」

「はい、ロイ様。」


部屋の扉の外で暫くの間待った。

目を覚まさない彼女………、門でずぶ濡れで倒れていた彼女………。

そして異国の娘?

何故ばかりが頭を過る。